細見美術館
昨日、細見美術館で 「麗しき日本の美」 を観てまいりました。後期の「琳派を愉しむ」の
期間中でしたので、琳派の誕生から継承の流れについて詳しく知る機会となりました。
「美のプロデューサー」本阿弥光悦と「天才絵師」俵屋宗達の生み出した豪華で斬新な
芸術は、半世紀の時をへて尾形光琳・乾山へと受け継がれていきます。
本阿弥光悦は、京都の歴史が生んだ最もすぐれた文化人と伝えられており、俵屋宗達
とともに 光悦の「書」 と 宗達の「画」 の合作で平安時代以来の貴族趣味的な伝統に
十七世紀初頭に生きた町家出身の二人が革新的展開をもたらしました。
その後十八世紀前半には舞台が京都から遠く離れた江戸へ遷り、「尾形流」として、
酒井抱一、鈴木其一らに継承された後、京都出身の神坂雪佳へと受け継がれていきまし
た。その雪佳の大胆な構図と色彩で琳派を再解釈した代表作「百々世草」は、エルメスの
顧客用雑誌の表紙ならびに巻頭特集で採り上げられました。
館内で展示されている作品は、本当に迫力があり息を呑むものばかりで、現代においても
輝き続けるその姿情は大変勉強になりました。